せっかくだから、俺はこの赤のバイクを選ぶぜ!!!(CV:せいじろう)

というわけで、うちのMD90について、いろいろ細かい部分を紹介してみます。



MDが郵便配達用の特殊なカブというのは周知の事実だと思います。

では具体的にどこが違うんだ?というのをまとめてみようかと。まあググれば先人たちの知恵が出てくるでしょうが、せっかく実車があるわけですし、自分でも書いてみようかと。勉強のためとかね。


さて、まずはMDの全体像をば。


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HONDA Super Cub Delivery MD90                                    TYPE:BUSINESS


最高の実用車と誉高いスーパーカブをベースに、フロントテレスコピックショック化、ホイールサイズ変更、大型燃料タンク、大型キャリア等を装備し、機体各部も過酷な配達業務に耐えるべく強化された最高峰のカブ。
インチダウンされたホイールと、ハイマウントされたバーハンドルにより、驚異的な旋回性能を誇り、トルクの太いエンジンにより、満載の郵便物も難なく運ぶ。
愛称は「郵政カブ」



エスコン風の機体解説。

さて、街でおなじみのこのバイク。日本全国人の住む場所には必ずいるバイク。でも人のいない場所にはいない。しかし、一般人が普通に買うことができないという特殊なバイクです。
その姿は人里には必ずいながら、人とは常に一定の距離を取り続けるスズメのようにも思えます。


正式名称は‘スーパーカブデリバリー MD90’といいます。MDとはMail Deliveryの略です。あだ名は郵政カブとか郵便カブとか、果ては郵便屋のバイクとか。

さて、まずは普通のカブとどこが違うのか。改修箇所を見ていこうと思います


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機体L/Hの図。パッと見わかるのは

・テレスコピックサス化
・ホイールインチダウン
・バーハン化
・専用フロントキャリア取り付け
・専用シート換装
・ウインカー移設

くらいでしょうか。


さて、各部の説明に移る前に、MD90の改修記号?について説明しておこうと思います。

カブのシート下の燃料タンクに

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こんなステッカーがあると思います。そこに「C50-H」とかのモデルナンバーがあります。

このうち、Hが年式を表す記号ですが、これがMD90ほか、MDシリーズにもあります。


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これがMDのモデルナンバーのステッカー。フレームL/Hのサイドカバー右上あたりにあります。通常カブと違い、生産年月まで分かるようになってます。

MD90の改修記号は古いものから順に

・MD90-K0
・MD90-K1
・MD90-K2
・MD90-Z
・MD90-A
・MD90-B
・MD90-C
・MD90-D
・MD90-F
・MD90-H
・MD90-P
・MD90-V
・MD90-X
・MD90-3
・MD90-5
・MD90-6

こんな感じになります。最終型の-6は08年まで生産されました。このほかに、郵政省向特別車なるモデルがあったようですが、ここでは割愛。ググれば写真が出てくるので、興味のある方はグーグル先生に聞いてください(他力本願)

うちの子は-5。MDの中でも最終型に近いものですが、生産期間わずか1年と地味にレアです。ただし-6との違いはほぼ無いようで、パーツリストでもまとめて載せられている部分があります

各タイプの説明はこんなところで、各部を見ていきます。


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正面からMDを見てみます。テレスコピックショックに、ハイマウントされたライトにウインカー、バーハンにより面構えが普通のカブとはかなり異なります。


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バーハン化されたハンドル。ハンドルの位置は高くなっており、普通のカブから乗り換えると、その違いがよくわかります。


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ハンドル回り拡大。こんな感じでいろいろなものがついてます。

ウインカーブザーはカチカチ音を出すタイプ。屋外に露出するので、防水仕様です。ちなみに形自体はCD125Tのものと同じだと思うので、マニアックな人は交差点のヒーローになるのもまた一興。

ヘルメットホルダーは、ハンドルのここにつくのはX型からのようです。

グリップヒーターのコントローラーは、無段階調整が可能になっています。また、ホンダアクセスのものと違い、エンジンを切った後も暖かさのレベルがリセットされないため、面倒さがありません。
ただし、この無段階調整のコントローラーを装備するのは、X型からのようです。

ちなみにグリップヒーターのお値段ですが、左右グリップにつけるエレメントが左右合わせて16000円、コントローラーが6500円、スイッチのステーが350円の合計22850円と結構な高級品です。しかも平成18年発行のパーツリスト上の値段なので、おそらく6000円程度値上がりしていると思われます。

あとはハンドルマウントされているのが特徴的なウインカーですが、これの取り付け方もV型とX型を境に変更されています。もっと言うとここでハンドルの形が変わってます


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右側のハンドルスイッチ。形自体はCB750KとかCD125Tとかのものと同じ。ただしカブ特有の右側ウインカースイッチは健在。
さらに気づかれると思われますが、普通のカブが縦に操作するのに対し、MDは横方向に操作するという違いがあります。当然ながらプッシュキャンセルではありません


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また、MDのブレーキレバーには、パーキングレバーと呼ばれるものがついており、ブレーキレバーを作動位置で、固定しておくことができる機構がついています。
使い方は、ブレーキレバーを引いた状態で、パーキングレバーを引きくことで、レバーを固定します


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左側ハンドルスイッチ。こちらも形はCD125Tなどのものと同じ
あと、ヘッドライト常時点灯式になる以前は割れ目の部分にOFF-Position-ONの切り替えスイッチがありました。


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ライトケースはキャリア上部にボルトで固定。このボルトを緩めて、ライトケース自体を傾けることで光軸調整を行います。
なお、ライトユニットはP型からV型への変更時に大型化されています。


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メーターはライトケースへのはめ込み式。形はCD125T(6V)や、CD50などと共通の台形型。
メーターの形はライトの大型化と同じタイミングで変更されており、この形以前は、ダックスと共通の逆三角形のメーターを装備していました


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MDを象徴する大型フロントキャリア。キャリア自体は集配鞄をひっかけるために特化した形になっており、ネットとかを使うには不便な形です。

キャリア上部についた特徴的な形のフックは、鞄のD環ひっかけるためのもので、JA07のプロのキャリアにも同じようなものがついています。
また、その間にはバッグフックと呼ばれるフックが取り付けられており、これには2種類存在します。


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折り畳み式のものと、そうでないものが存在します。

なお、バッグフックはその名の通り鞄かけですが、こちらは貯保課が使用するためのもののようです。

そのため折り畳み式のものは、貯保業務の時にはフックを展開して鞄をひっかけ、集配業務の時はフックを折り畳むという、どちらの業務でも使用する車両に対して取り付けるもののようです。
うちの子は貯保出身なので、フックがついていましたが、もともとは折り畳めないやつがついてました。なので、貯保業務専用車だったということが窺い知れます


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フロントキャリアの固定に関しては、トップブリッジに取り付けられたステーと、ステムのアンダーブラケットに取り付けたブラケットにより、ボルト3本で取り付けられています

このブラケットさえどうにかすれば、ほかのバイクに付けられそうな気がしますが、MDのフォークやトップブリッジが普通のバイクとはかなり異なることや、アンダーブラケットも専用のボルト穴を使って固定するなど、なかなか難しそうです

ちなみに、ステムのアンダーブラケットですが、P型までは郵政レッドで塗装されたものを装備していました。


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前輪回り。テレスコ化されたフォークに14inホイールが特徴。

フロントフェンダーは樹脂ではなく、鉄製です。まだ矢印のように位置の調整ができるようになっていますが、これは積雪地帯でチェーンを装着した場合に干渉しないようにするためと、雪が詰まらないようにするため。
フロントフェンダーの形状も、H型とP型を境にステーの形状が微妙に変わっていたり、さらに古いモデルではCDベンリィやCT110と似たような形だったりと、細かな変化が見られます


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タイヤのサイズは2.75-14。リトルカブはフロント2.50-14ですが、MDは一回り太いタイヤを履いています。ちなみにリアも2.75-14を履いています。


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MD90のエンジン。通常のカブとはいろんなところが異なるMDですが、エンジンも異なります。
MD90のエンジンは63年登場のC200、64年登場のCM90などから血を引く90ccエンジンで、正確な排気量は89㏄です。丸みを帯びたクランクケースカバーから、なんとなく別物というのがお分かりいただけると思います

HA02ことカブ90は、80年にC70Eをベースにストロークアップした85㏄のエンジンへと変わりましたが、このタイミングでなぜかMD90のほうは変更されず、08年の生産終了まで、このシーラカンスエンジンを使い続けることになります。
その寿命、実に45年。恐るべし、郵政カブ。


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エンジンL/H側。こちらもHA02Eとは異なり、セルなしですが、スプロケット部分が分割され、ジェネレーターカバーは3本のスクリューで止められています。

また、チェンジペダルは大型化されており、踵の跳ね上がりも大きいため、踵シフトがかなりやりやすいです


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レッグを外した図。クランクケースカバーのでっぱりが大きいことがよくわかります。ヘッドに関してはそんなに違わないように見えますが、HA02Eとはプラグの互換性がありません。補用品を統一できないのが、地味にめんどくさいです。


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同じく、レッグを外したエンジン右側。

CDIの文字が光るヘッドが何やら大きく出っ張っていますが、この中にはパルスジェネレーターという部品が入っています。役割としてはプラグ、というかCDIへと送る電気の発電を行います。こんなところでも独自の設計が生きています。

また、ヘッドから何やらチューブが伸びていますが、これはAIシステムと呼ばれるもので、詳細はこっちへ飛び込め。このAIシステムはX型から装備。


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レッグシールドの付け根。フロントカバーバンドと呼ばれる部品がついており、こいつはあんどん時代から受け継がれてきた部品です。


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燃料タンクとサイドカバー

燃料タンクはあんどんカブ時代のようなフレームと別体式。これはMD50,70,90で共通。どのMDもあんどんカブがベースで、カモメカブことスーパーカブDXベースのタンク内臓式フレームへの変更は行われませんでした

燃料タンクの容量は公称5リッターのはずですが、一度リザーブぎりぎりまで使い込んだ時に5.3リッター入ったことがあります
燃料タンクはH型から形状が変更されており、これ以前は、ハンターカブのような横から見ると三角形の形のものが使われていました

サイドカバーもあんどんカブ時代から引き継いだ形状のもので、50,70と90では形状が異なります。MD90の逆台形のデカいサイドカバーは、HA02以前のC90時代より引き継いだ形状のものです。なお、どの型からは断定できませんが、昔のサイドカバーは90というエンブレムがついていました。この辺もあんどんよりそのまま受け継いだものです


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なお、ヘルメットホルダーの移設に伴い、普通のカブがヘルメットホルダーをつけてる部分が、ゴムのキャップをされています

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燃料タンク上面。燃料残量計は普通のカブと同じもの。ただし古いD型などでは、タンクキャップに一体となった残量計が使われていたようです

さて、容量が大きいことが特徴のMDタンクですが、地味に優れた特徴があり


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補給口に前室みたいなものがあります。これのおかげでぎりぎりまで攻めても、よほどじゃない限り、だばぁしません。普通のカブにもつけてくださいよ。ホンダさん


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シート。通常のカブより、分厚く、そしてベージュ色のカバーが特徴。

分厚いシートの座り心地は、なかなか良く、長時間乗務を行う配達員のケツの負担を和らげます。無論カブでツーリングに行く際にも効果的です。
また、このシートは中に鉄板が入っているらしく、見た目以上の重量感があります。おそらく重くすることで、振動低減を図っているものかと。

シートの色がベージュなのは、真夏の炎天下においてシートがチンチンに熱くなるのを防止するため。本土以上に日差しが厳しい沖縄においては、専用の白いシートをかぶせているようです。

ちなみにこのシート、多少工夫すればC50/HA02系にも装着可能です。


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サイドスタンド。プレスカブと同じ、スイングアームに特別に設けられた、ボルトホールを利用して固定するものです。
また、穴が上下に2ヶ所あり、傾斜角を変えることができます。ついでにピポッド部にはグリースニップルがあり、グリースガン(M3A1じゃないよ)を使ってグリースを注入できるようです


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チェーンケースのコーションデカール。空気圧、チェーンのたるみについて書かれているのは変わらず。

ただし、空気圧は普通のカブとは違い、空気圧は前200kPa、後ろ250kPaと通常のカブより高めの指定。これも重積載のためのものでしょう。

チェーンについては、125㏄クラスでも使われている428サイズへとサイズアップされており、これも重積載したうえで、発進停止を繰り返す過酷な使用を考慮しての変更でしょう。110になってからは420サイズになっていますが、伸びるの早くなってないんでしょうか


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チェーンケース。赤い以外違いがないようにも見えますが、実はこんなところでも変更があります。
まず、プレス加工を行い、段差をつけることでケースの剛性を上げてます。そして持ってみるとわかりますが、鉄板の厚さも明らかに分厚くなってます。
地面に転がした時の音も、普通のカブはカランと軽い音を立てますが、MDはゴト・・・みたいな鈍い音がします。

何もそこまでしなくても・・・とも思う部分ですが、こんなところまでこだわりぬいたバイクがMD90というバイクです


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リアショック。黒いスプリングが露出しているのが特徴的ですが、ストロークも普通のカブよりのばされています。

ショック自体の作りもよく、段差を越えてもカブ純正みたいにホワンホワンしません。
正確な情報を得られていないのですが、各排気量でショックの硬さが異なるようです。ついでに110では90よりもショックが固くなっており、強化サスとして使用できる模様。(ナナカンさん情報)


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ショックの根元。退色して文字が読めませんが、おそらくホンダ車に多数のショック類を納入している、ショーワのステッカーだと思われます。

メッキこそ実用一辺倒な亜鉛メッキですが、中身はしっかりしているのです。むしろ実用車臭くて私は好きです


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テール付近。デカい箱を積むことが前提なので、ウインカーがテールランプ付近へと移設されています。

元の場所には、ヘルメットホルダーの場所のように、ゴムのキャップがつけられています


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また、MDは純正状態でナンバープレートベースを装備します。材質は鉄製。そしてボルトホール部はパッチあてすることで、クラック対策は万全。

なお、うちの5型では黒色ですが、X型までは郵政レッドのものを装備していたようです。なぜそんな変更がなされたかは不明です。


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テールランプ。CDベンリィ、カブ70や90と同じデザイン。MD50,70,90でデザインは変わらず。

しかし、形こそ同じですが、サイドにリフレクターがついていたり、レンズの模様が異なるなど、通常のカブとは違うレンズを装備しています。

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マフラー。通常のカブと同じく、日本の日常を演出する穏やかな音を奏でます。


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ただし、MD90はエンジンが異なるため、HA02とは互換性なし。HM121の刻印がMD90専用の証です

形状にも微妙に特徴があり、アクスルシャフト付近にヘコミがあります。おそらくアクスルシャフトにレンチを突っ込むときの逃げだと思われます。


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MDのキャリア。MDは所属課によりキャリアが異なり、貯保課は小ぶりのものを、集配課は大きなものを装備します。

この写真では、左からMD50集配、MD90集配、MD90貯保と並んでいます。
MD50の貯保がありませんが、固定方法の違いのみで同じ形のものを装備します。MD50とMD90ではパイプフレーム内の鋼板のデザインに違いはありますが、大きさ自体は同じです。

また、箱搭載が前提のため、プレス用のように後ろの跳ね上げは存在せず、全体が平らなつくりであり、箱搭載で使うことが困難になるシート後ろの取っ手の代わりに、キャリア左側に取っ手が溶接されています。

ついでにMD50は、キャリアの固定方法こそカブ50や90(HA02)と同じですが、リアショック部とリアフェンダー部分の寸法の違いにより、ポン付けするのは不可能です

MD90用は固定方法の違いはあれど、リアフェンダー部分の寸法が同じなので、どうにかすればつけられます。
デカい箱がつみたいので、MDキャリアを無理にでもつけたいという方は、こっちを参考に。なお、あくまで成功例の一つということでオナシャス。


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裏側。重積載前提なので、台形の延長フレーム部へ補強用のブレースが溶接されています。


が、なぜか一番の重積載を行うであろうMD90集配用には、補強用のブレースがありません。謎


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MD本体ではないけれど、MRDボックスも。もう一部みたいなもんですし。

こいつが一般販売されているのは周知のとおりですが、集配課と貯保課で装備する箱が異なります。貯保課はキャリアと同じく小ぶりのものを。集配課は写真のものと同型のものを装備します。
しかし、つけてる間はあんまり気にならないんですが、外すとすごく大きく見えます。というか実際かなりデカいです。バイクのパーツはバイクから外した途端巨大化するといいますが、まさにその典型です

MDの一部なMRDボックスですが、貯保も集配も新型の箱が登場しており、貯保課の新型はなんか見た目が安っぽいです。手元に画像がないのが残念ですが。

集配課は過去に何度か触れていますが

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こんなすごいでっかい奴をつけています。あとは、こちらも画像がありませんが、ふたが山形になっている「おむすび山」と呼ばれるタイプも存在します。

こちらの新しいものは、MD110が装備しているところしか見たことがなく、退役する運命にあるMD90には、新しい箱は必要ないといわれているようで、何とも悲しくあります。
しかし、MD90より先に退役してしまうMD110も少なくはないようですが。



つらつらと思い付く部分を紹介してみましたが、こんなところでしょうか。やはり現場の声を聞き入れ、フィードバックしたバイクだけに、いろいろと違いがあるものです。

走ってみても、ポジションなんかは普通のカブとはかなり違うので、もはや別物とすらいえます

その辺の比較記事は、また気が向いたら書いてみようと思います。
    →書きました。文字ばっかですが、いいや!限界だ 見るね!って方はどうぞ。


以上、うちの子を隅から隅まで変態的に見回してみたレポートでした。



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