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やる気のあるうちにポスティについて紹介しておこうと思います。

軽くCTシリーズの歴史に触れたり、いろいろなところ紹介するので長いですよ。 



さて、ポスティの紹介に入る前にそもそもCTシリーズとは何ぞやというのに触れておこうと思います。名前は知っててもどういうシリーズかって案外わからないものですし。私も買う前まであまり気にしてませんでしたから。


CTシリーズの誕生は1960年ごろまで遡ります。

場所はアメリカ西部の農村地帯、当時のアメリカホンダはC100シリーズのアメリカでの売り上げを上げるべく奔走していました。 

そんな折、C100を多数売りさばいているディーラーがあるといいそこへと向かったところ、そこで売られていたC100は農村地帯の不整地走行をやりやすくするべく、フロントフェンダーとレッグシールドを取っ払い、大型のリアスプロケットを装備したいわば現地改修仕様となっているものでした。 


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それがこの車両。写真は海外のサイトから引っ張ってきました。モデルの説明もだいたいこのサイトより引用してます。

つまりCTシリーズはメーカーが一から作り上げたものではなく、ユーザーの改造した車両をもとにメーカーが開発したという珍しい車両です。つまりはこういうことです。


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CTシリーズはアメリカで生まれました。日本の発明品じゃありません。我が国のオリジナルです。しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です。

「CTは好きだ」

CTがお好き?結構。ではますます好きになりますよ。

さあどうぞ。ホンダ初のオフロードモデルです。快適でしょう?んああ仰らないで。フェンダーがない。でもフェンダーなんて見かけだけで泥は詰まるわ、ぶつけて割れるわ、ろくな事はない。足もべったりつきますよ。どんな不整地でも大丈夫。どうぞ回してみてください、良い音でしょう?余裕の音だ、トルクが違いますよ。

「一番気に入ってるのは・・・」

何です?


C100T 値段

 ああ!何を!!ああっ、待って!ここで動かしちゃダメですよ!!
待て!!止まれ!!うわあああああああああああ!!(ガシャーン



・・・


さて、このディーラーの現地改修仕様に着想を得たホンダは1961年、C100T(CA100T) Trail50を発売します。

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これがC100T。ホンダ初となるオフロード向けバイクです。写真のクロームメッキのやつはディーラー展示用の物らしいです。

CT系の特徴であるアップマフラーやフロントのテレスコピックサスはまだ採用されていません。オフロード向けに変速比を変更する装備も大型スプロケットと小型のスプロケットを同時に装備するデュアルスプロケットとなっています。

ちなみに見慣れないデュアルスプロケットですが

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こういう構造になっており、大型スプロケットを使うときは

停止→継ぎ足し用のチェーンリンクをつなげて大型スプロケットに付け替える→チェーンクリップをつないでから発進。という感じでかなり手間のかかるものでした。


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そして1962年、C105T(CA105T)が登場、エンジンを54㏄へとボアアップしたモデル。同時にアップマフラーも装備されました。


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さらに1964年、CT200 Trail90が登場。ここで初めてCTの名を冠したバイクが出てきます。

エンジンはC100系からC200系のOHV 86.7ccのエンジンへ変更。非力と言われていた前回のモデルに比べて30%のパワーアップを果たしたという触れ込みでヒットします。

ちなみにエンジンの変更によりここから4速車となってます。

この後、CT200は1966年にCT90K0へとモデルチェンジ。そこからモデルチェンジを繰り返し熟成を図ります。


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こちらがCT90K0の1967年製のLate Model(Frame No.CT90-122551~)と呼ばれるもの。

このCT90よりOHC 89ccのエンジンへと変更されています。HA02以前のC90やMD90と兄弟となるエンジンですね。

さて、スプロケカバーのあたりに注目するとなんかふくらみがありますね。そう、このモデルよりCT系の象徴ともいえる副変速機(Dual Range Sub Transmission)を装備します。こいつの装備により一時停止が必要なのには変わらないものの、レバー一本でギア比の変更ができるようになりました。


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そして1969年、CT90K1へとモデルチェンジ。ここでフロントショックがカブ系の象徴たるボトムリンク式からテレスコピック式へと変更されます。レッグカバーの造詣など、CT110の面影を見て取れる形となって来たんじゃないでしょうか。


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そしてこちらが1979年式のCT90最終型となるモデル。ほとんどCT110と変わらぬスタイルにまで進化しています。


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さらに1980年、CT110が登場。この80年式はなぜかサブトランスミッションがないようです。81年式からは普通に装備しています。

この後、CT110は各々の活躍場所に合わせて細かな変更を加えながら2012年ごろまで生産されたようです。

CT110単体でも32年、CTシリーズの誕生から数えて実に52年という長期にわたって愛されたバイクです。姿形は変われど、本流のカブシリーズとは切っても切れない縁にあるバイクです。


さて、このCT110ですが、生産期間が長いことに加えて、非常に仕様が多いことが特徴で

・北米(アメリカ、カナダ)仕様(CM)
・日本国内仕様
・オーストラリア農耕仕様(UB)
・オセアニア郵政仕様(UY)
・オーストラリア農耕仕様(公道登録可能、AG)
・ニュージーランド仕様(NZ)
・パプアニューギニア仕様(PN)
・南アフリカモデル(SA)

ざっと調べただけでもこれだけの仕様があります。

各々の違いとしては

・ハンドルポスト(折り畳み可能/不可能)
・フロントキャリアあり / なし
・ウインカーの取り付け方法
・排ガス対策装備
・表記デカール
・副変速機あり / なし
・マフラーガードの形状
・エンジンガードの有無
・サイドカバーの形状
・チェーンケース(オープン/ フルカバー)
・スタンド(右サイドスタンド、センタースタンド)
・テールランプの形状
・電装系の電圧(6V/12V)

などなど、非常に細かな違いがあり、ここで解説しだすとキリがなさそうなので割愛とします。

というわけで今回はうちにいるオセアニア郵政仕様、通称Postieに的を絞って紹介します。


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CT110UY                               TYPE:Dual Purpose

ホンダのトレッキングバイクであるCT110をベースに郵便配達用の改修を行った車両。
名車スーパーカブの血を引く頑丈な車体とエンジンにより優れた耐久性を持ち、オンロード用途に最適化された装備によって快適な集配作業を約束する。
愛称は「Postie Bike」



おなじみのエスコン風の車両解説。

さて、こちらがCT110のオセアニア郵政仕様。オーストラリアやニュージーランドにおいて郵便配達に使用されているモデルです。

現地ではPostie Bikeと呼ばれ親しまれており、郵便配達業務の一翼を担う重要な存在です。


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Australia POSTのホームページではなんたって中心にいますからね。郵便配達における主役といっても過言ではないでしょう。


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こちらがAustralia POSTにてお仕事中のポスティ。笑顔がまぶしい。めっちゃ楽しそう。俺もこんな風に仕事したい。


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そしてこっちがNew Zealand POSTのポスティ。装備が若干違いますね。そして笑顔がまぶしい。
うちの子もこうやって赤道の向こう、季節の裏返った国でこうして働いていたのでしょう。いつかこいつの見ていた景色を一緒に見に行きたいものですね。

さて、前述したようにCT110が郵便配達バイクとして生産されていたのは2012年までとなっており、現在では生産されていません。しかし生産終了までの32年間、農耕用や郵便用など含めてオーストラリアで最も販売されたバイクであることは確定的に明らかであり、オセアニアの人々にとってはまさに我々にとってのカブのような存在であると言えます。

ちなみに日本の郵政カブと同じく払い下げ品が流通しており、おおむね20000~40000km走行するか3年使用されたのち放出されているようです。

そのため一般のライダーにとっても非常に身近な存在のため、オフ車のタンク増設して大陸横断したり、チューニングしまくってレースしたり、果てはフルカウルバイクに摩改造するなどして愛されています。

またCT専用のショップがあったり、専用カスタムパーツも存在し、さらにオーナーズクラブがあるなどまさに日本のカブ乗りたちと同じようなコミュニティが形成されています。まさに海外の俺ら。
Postie bikeでググるとそんな海外の俺らの世界が垣間見れますよ。

ちなみにCT110の後継機はというと

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こちら。現地でNBC110 Super Cubと呼ばれているバイクです。


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見た目的には日本で発売されているスーパーカブ110PRO(JA10)とクロスカブを足して2で割ったような外観をしています。登場時はこんな黄緑っぽい色だったようですが


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現在では赤色になっているようです。旗がかわいい。

オセアニアの郵便バイク事情はこれくらいにして、話をCT110に戻しましょう。


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さて、ポスティの右側面です。CTにおける最大の特徴であるアップマフラーが目立ちますね。

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特徴的なヒーターガードですが、こんな感じで二重になっています。これによって火傷しにくくなっているようです。
こうなっているのは郵政仕様のみで、他の仕様(農耕仕様とかアメリカ仕様)ではヒーターガードが二重になっておらず、メッキのカバーがエキパイ下部まで伸びているため、地味な点ですがここで識別ができます。


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続いてサイドカバー。C90から引き継ぐ逆台形の大きなものです。MD90とも同じですね。

さてサイドカバーですが、この形状のものを使っているのはCT110においてはポスティのみであり、ほかのCT110はタンク別体車のC50などと同じ形状のものにCT110のデカールが張り付けられています。


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これですね。どうもポスティの電装系が12Vであることから変更されているようです。MD50なんかは12Vでもこの形状なんですけどね。


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ポスティのリア周り。

ポスティにおける特徴としてはテールライトがほかのCT110と比べて小さく、ちょっとすっきりしていることです。

ウインカーはテールランプブラケットからステーが伸びており、箱を積んでも視認性を妨げない位置についてて、積載カブ乗りにとっては非常にありがたいです。


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テール周りを左から見た図。

リアフェンダーはほかのカブ系に比べて短めになっており、代わりにゴム製のマッドフラップがついています。基本オンロード走行前提のポスティでも省略されることなく装備しています。


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リア周りの写真にも写っていましたが、キャリア左についてるこの茶筒のようなものは車載工具入れになってます。こいつも郵政仕様独自の装備で、これをつける関係でキャリアも専用品になっています。


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ちなみに大きさは私の拳と比較してこんなもの。書類なんかを入れておくには小さいですね。本当に純正の車載工具くらいしか入らないです。


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キャリア。カブ系バイクの魂とも呼べる存在であり、オフロード用途に進化してきたCTでも歴代車はすべて装備しています。CTもまたカブであるという証ですね。

CT110のキャリアはMD90の集配仕様の後ろの台形部分を取っ払った形状であり、事実この2台はキャリアの流用ができます。
ただし、前述したようにインテークダクトにつながる部分をどうにかしないと、まともに走らなくなってしまうようです。


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シート。

USA仕様とは若干形が違います。郵政仕様だけどシートが熱くならないようにベージュ色にするという要求はなかったようです。


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ちなみにシートの裏にこんなステッカーが。雑にはがされていて文字もよくわかりませんが、向こうの郵便局で働いていたという証じゃないかと。
exerciseとスパナの絵の意味とは・・・メンテの時期でも記録していたのか何なのか。


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燃料タンク。

UNLEADED FUEL ONLY(無鉛ガソリンのみ使用せよ)の英語で書かれたCaution Decalが輸出仕様であることを地味に主張します。

カラーラベルは日本のカブと同様のものが張り付けられており、うちのCT110がX型(99年式)であること、車体色がモンツァレッド(R-110)であることを示しています。

容量はオーナーズマニュアルによると4.8L(リザーブ0.9L)となっています。
また国内仕様のタンクは5.5Lらしく、こんなところでなぜ差がついてるかは謎です。

あと、キーロック付燃料キャップは純正状態では装備していません。お国柄ってやつなのでしょうかね。

ついでに燃料計がご覧の通りありません。不便、不便アンド不便。


ちなみに燃料タンクはアップマフラーを装備する関係で右側が大きく凹んでいます。その関係でMDなんかのタンクは装備不可と思われます。


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リアショック。純正でプリロードを5段階に変更できるものが奢られています。長さは330mmであり、郵政カブ系を除いた鉄カブと同様の長さになってます。なのでたぶん流用ができます。


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チェーンケース。

チェーンケースはオープンタイプになっています。下側にはチェーンがダレすぎたときのためのサポートがついています。
オーストラリア農耕仕様やニュージーランド仕様ではカブのようなフルカバータイプのチェーンケースを採用しているため、ここでも識別可能です。
ちなみにチェーンケースを固定するためのボルトの位置が違い、それに伴ってスイングアームも異なるためオープンタイプからフルカバータイプへの変更はスイングアームごとの交換が必要と思われます。その逆もまた然り。

また、チェーンカバーが黒色なのも郵政仕様の特徴であり、アメリカ仕様のTrail110では車体色と同色のものを装備しています。


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リアブレーキドラムとリアスプロケット。

ブレーキは大量の手紙を積み込み集配業務を行うポスティのために、プレスカブと同様の130mmまで大型化されており、制動力が強化されています。

リアスプロケットは45Tと大きなものを装備しており、CTのオフロードにおけるトルクを生み出す原動力になっています。オンロード主体のポスティでも日本と同じくストップ&ゴーを繰り返すからなのか歯数に変更はありません。
スプロケ交換の項目でも書いてますが、ドラム周りの設計がポスティは違うためにほかのCT110で使えるスプロケットがこいつでは使えません。結構厄介です。

ただし、プレスカブ用のものを使えばチェーンサイズを420にしたうえで歯数選択が可能になるので結構おススメです。やり方はこっちに飛び込め。

あと鉄カブ系ではおなじみのハブをアクスルとは別のナットで固定し、タイヤを取り外した時のチェーン調整が不要になるあのステキ機構はCT110には受け継がれていないようです。かなC。


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スイングアーム。

原付二種(甲)相当の排気量ですが、タンデムステップはありません。バイクは己の夢と荷物さえ積めれば問題ないので漢の諸兄は問題ありませんね。

スイングアームの形状はどのカブとも似つかぬ独特の形状ですが

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64年のCT200、そして日本の66年式C90と同様の形状です。ずっとこの辺の血を引いてるわけです。

ちなみに日本のC90は68年のモデルチェンジの際に、一般的な鉄カブとほぼ同じ形状へと変更されています。


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サイドスタンド。

CTといえばサイドスタンドを左右に装備することで有名ですが、郵政仕様ではそれに加えてセンタースタンドまで装備します。まさかの3本足。お前は八咫烏かよって言いたくなります。


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ステップとブレーキペダル。

ステップは可倒式となっています。どんなにコーナーを攻め込んでもリアタイヤが浮いたりすることはないでしょう。たぶん。知らんけど
また農耕仕様などではステップがオフ車のような金属ペグになっていますが、ポスティではオンロードでの乗り心地重視のためにゴム製のものを装備しています。

ブレーキペダルは郵政仕様のみ形状に変更があり、プレスカブのような角ばった形状のものが使われています。


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チェンジペダル。

形状はタイカブなどに見られるスポーツチェンジペダルみたいなものでかき上げシフトにも対応。

ちなみにCTのミッションは4速ボトムニュートラル常時リターン式になっていて、停止時にロータリー式にはなりません。兄弟車のMD90も同様です。

まあそれ以上に初見殺しなのがCT110は国内仕様を除いてシフト方向が通常のカブとは逆であり、後ろを踏むとシフトアップ前に踏み込むとシフトダウンになっています。

無意識にカブと同じ方向にシフトアップしようものなら強烈なエンジンブレーキで前に飛びます。私も何回かやらかしました。

30~40km/hでシフトミスった時は体がシートからつるって前に飛んでって、右足一本で着陸して車体に体を蹴り戻したけど着地ミスったら骨とか逝ってたんじゃないかな。初心者CT乗りは要注意やで。

私はとりあえず普通のリターン式バイクみたいに、かき上げシフトアップ/踏み込みシフトダウンにして間違い防止してます。


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キックペダル。

ブレーキやシフトペダルと同じく黒くなっています。
形状的には普通のカブと比べるとまっすぐな形になっており、正直マフラーが邪魔でキックしにくい。


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左サイドカバー・・・と言いたいところですが、これ実はエアクリボックスです。左右で形状が違うのにはこういうわけがあるのです。
右のサイドカバーと合わせてポスティにはデカールの貼り付けがなく、非常にシンプルな見た目になっています。


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お仕事してた時はこんな感じでデカールを貼られているのでこのためなんじゃないかと。

吸気は右上のインテークチューブが伸びており


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こんな感じでキャリアにスポット溶接されたインダクションボックス?へ接続されています。

この関係でキャリアの交換はおいそれといかず、キャリアを交換する際はいろいろ工夫をしたうえで皆さん取り付けているようです。


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ちなみにエアクリはこんな構造になっており


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エアクリのエレメントはカブで見慣れたビスカス紙による乾式ではなく、スポンジによる湿式になっています。

中古で買ってきて頻繁にエンストするみたいな症状の時は疑ってみたほうが良いです。こんな感じでスポンジがボロボロになってる可能性が高いです。


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あとこのエアクリボックスは2点止めになってて、外れないからって無理に外すとこうなります。うちの子は来た段階でこういう状態でした。私がやったんじゃないです。ホントです。


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メインパイプカバー。レッグシールドの代わりに装備されています。


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カバーの根元は左側のほうが膨らみが大きくなってます。根元にキャブレターを収めているためです。

取り外しはスクリュー3本、ナットを1個緩めるだけであり、形状も単純なので整備性は良好です。


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上の方の左側にはメインキーがあります。鉄カブと同じく、ハンドルロックを内蔵しないタイプで鍵も小さいやつです。


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エンジンガード。オフロードバイクたるCT110の象徴でもある部分です。真っ赤な車体にメッキがアクセントを加えてて美しい。ちなみに正式な部品名はProtector, Crankcaseらしい。

あとポスティだとこんな感じで


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大きなエンジンガードを装備してるんですが、うちの子には最初からついてませんでした。

現役時代でも装備していない車両の写真もあるので、その時からついてないか、オフロード主体で使っていた前オーナーが邪魔だから外したかのどちらかでしょう。おそらく後者だと思います。


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フレームのステム取付部。

車台番号は打刻ではなく、銘板がリベット止めされています。カッコいい。

で、カブに慣れた身からすると車台番号が非常に長ったらしくわけわからんですが、これにもちゃんとした意味があり


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こういう感じになっています。

これを見るとうちのポスティがれっきとした日本生まれであることがわかります。つまり日本生まれのオセアニア育ち。帰国子女なのデース。


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ハンドル回り。

ハンドルは黒塗装になってます。ハンドルに限らず、CT110ではノーマルカブでメッキのパーツがブラックで処理されている部品が多く、赤×黒といった印象が強いですね。

高さは見ての通りかなりアップハンであり、非常に楽な姿勢で運転できます。取り付けられている部品も少なく、非常にすっきりしています。

あと、農耕仕様などではハンドルから伸びたステーにウインカーが取り付けられていますが、郵政仕様ではライトケース部に移設されており、ハンドルのP/Nが違い、面構えも異なります。


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右ハンドルスイッチ。カブ系ではおそらく唯一のキルスイッチを装備しています。転倒の機会の多いオフロードバイクとして設計されたためだと思われます。

見ての通りこちらにはキルスイッチ以外のスイッチはありません。カブ伝統の右ウインカースイッチは向こうの国では必要ないからでしょう。だって出前でソバ運ぶ必要ないですし。


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ブレーキレバーにはパーキングブレーキレバーを装備。日本のMDに通ずる部分ですね。


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左ハンドルスイッチ。ウインカー、ホーン、ライティングスイッチを装備しています。ライトに関しては常時点灯式になってます。

また、ミラーについてはハンドルスイッチには取り付けず


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こんな感じのホルダーが付けられており、ここにミラーを取り付けています。

ちなみにこのホルダー、1個 $81.20(AUS Doller)と結構いい値段します。


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メーター。

おそらくポスティにおける最大の特徴がこのメーターです。

他のCTはライトケース一体型のメーターを採用していますが、ポスティはそこをゴムのカバーで塞いだうえで、上部へと移設しています。なんでかというと


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オーストラリアでもニュージランドでも形は違えどハンドル部分にカバンなんかをつけるためです。まさに機能美ってやつですね。


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メーターのアップ。大きくないメーターですがニュートラル、ウインカーに加えてハイビームインジケーターまで備えており必要十分って言いたいところですがね


トリップメーターがないんだな。それが。機能美どこ行ったチクショー

燃料計もないため、給油のタイミングは前回給油時の距離覚えておくか、タンクをコンコンやって音で判断するとかの職人芸が必要です。とりあえずポスティで一番の不満はこれなので何とかしようと思ってます。

ちなみに文字盤は透過式ではなく、電球で照らすタイプです。


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ちなみに固定はハンドルのところから延長ステーで高さを稼いでいます。


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ポスティを正面より。

前述したようにメーターとウインカーの移設により面構えはほかのCT110とは結構違います。


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ヘッドライトのアップ。

ウインカーがライトステーのとこに移設されていて、普通のバイクみたいになっています。

ヘッドライトは12V 35/35Wとなっており、数値上は普通のカブより明るいです。ただしバルブの形状が結構特殊(H4BS / BA20D)であり、バルブの入手性があまりよくないので予備を持っておくか、ヘッドライトユニット交換とか対策をとっておいたほうが良いかもしれません。


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ステムの下のほう。ブラケットは車体と同じモンツァレッドに塗装がされています。ハンドルロックもカブと同じ位置に装備されています。


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ライトの後ろあたり。何とウインカーブザーがついています。これも住宅街等での走行が多いポスティならではの特徴です。

ちなみにMDのようなカチカチ音ではなく電子音タイプです。ぺーぺーいいます。めっちゃうるさいです。遮るもんが何もないのでそれはもう響きます。

It's a Crossroads Hero.



ちなみにこんな感じです。うちの子らは自己主張が激しい。


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フロントブレーキドラム。カブに見慣れてると結構独特なケーブルの配置ですね。CT110がオフロードバイクゆえにケーブルが下に垂れているといろいろ引っかかって大変とかそんな感じじゃないかと考えてます。

ついでにブレーキドラムは前後共に黒く塗装され、足回りを引き締め精悍なイメージを醸し出しています。


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フロントホイールとフェンダー。

最初期のCTではフェンダーレスでしたが、CT90K0 Lateより復活し、そのままそれを引き継いでいます。
材質は頑丈な鉄製、ステーも前後に渡って回されています。下部にはゴム製のマッドフラップを装備。

ホイールは見ての通り17in。向こうではインチダウンするほどの狭隘路はないんですかね。

タイヤは現在前オーナーが履かせたブロックタイヤを装備していますが、純正では前後にIRC 3Rというタイヤを履きます。太さは2.75です。


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さて、車体の説明が一通り済んだのでポスティのエンジンについて説明しましょう。

CT110のエンジンは

型式:JD01E
排気量:105.1cc(内径×行程 / 52.0×49.5mm)
圧縮比:8.5:1
最高出力:7.6ps(5kw) / 7500rpm
最大トルク:0.85kg-m / 6000rpm
ミッション:4速ボトムニュートラル常時リターン式
オイル容量:1.1L(交換時0.9L)

こんな感じです。鉄カブ系では唯一となる排気量3桁のエンジンです。

ただし最大排気量ですが、最高出力はカブ100EX(HA05E:97cc / 8.0ps / 8000rpm)より劣ります。トルクに関しては排気量分若干上回り(HA05E:0.83kg-m(6000rpm))、モデルチェンジ後のHA06Eと比べると馬力、トルクともに勝ります(HA06E:97cc / 7.5hp(8000rpm)、0.81kg-m(6000rpm))

これについては圧縮比が若干低いこと(HA05E:8.8:1)、幾分低回転寄りなエンジン特性からくるものかと思います。CTの用途を考えれば馬力よりもトルクが必要ですしね。


ベースになっているのはC201やCS90より受け継がれている89.5cc(内径×行程:50.0×45.6mm)のエンジン。これをボア&ストロークアップして105ccまで排気量を拡大したエンジンです。

ベースエンジンを同じとするC90(HA02以前のカブ90)、MD90とは兄弟というわけです。


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上がC90、下がMD90のエンジン。クランクケースカバーの形状に血筋を感じていただけるかと思います。

ただし、基本設計が一緒でも細部の設計はだいぶと異なるようで、MD90にCTのピストンを持ってきてボアアップとかミッションを使って4速化というのはポンでは不可能で相当苦労するようです。


カブ系 減速比

JD01Eのミッションは上述したように4速です。変速比は上の表のようになっています。

排気量のある分、1次変速比は他のカブ系よりややハイギアードになっていて、1~3速でもハイギアード、4速は4速セル付の50やカブ100EXと同様のギア比になっています。1次~ミッションのギア比自体は結構ハイギアなのです。

対して2次減速比は他の原二カブ勢に対してローギアードであり、CTの不整地走破に必要なトルクはここで生み出しています。いいかえればこいつのギア比を高めればオンロードでも結構快適な走ることができるわけです。


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エンジン左側。MD90やC90に比べるとちょっと形が違いますね。

さて、勘のいい人は真っ先に気づくと思うんですがね

ポスティって副変速機がないんですよ。


過激派CT乗りには

副変速機がないCTなんてCTじゃない(迫真)


なんて言われそうですが、基本的にオンロード走行を想定しているポスティにオフロード走行装備である副変速機は必要ないわけです。あれがあるとスプロケ交換めんどくさいし、構造も複雑になるので整備性、コストを考えれば必要ないものは省いた方が正解なのです。

あとこっちにはジェネレーターがついてますが、ちらっと述べてるようにポスティは最初から電装系が12Vになっています。農耕系のように6Vから12Vへのコンバートとか考えなくていいので楽です。


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シリンダーヘッド左側。ちょっとすっきりしていますね。


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2008年式の農耕仕様のエンジンですが、「CDI」と文字の入ったヘッドカバーが付けられています。

これらのエンジンではここに「パルスジェネレーター」っていう点火タイミングをとるための部品がついているんですが、ポスティはヘッドの中にこいつがありません。どこ行ったかっていうと


CT110X パルスジェネレーター

ここです。ジェネレータの脇に移設されています。つまり左側のあそこには何も入っていません。
ヘッドに何もないからって能無しとは言ってやらないでいただきたい。


さて、いろいろと書いてきましたがこうやって見るとポスティの変更点がかなり多いことがわかります。CT110というオフロード主体の車両をベースに、いかにして過酷な集配作業を快適にこなせるかを考えた結果の形であると思います。

もともとの用途とはかけ離れた用途であるともいえるわけですが、それを32年にも渡りこなし続けることができたのはひとえにカブ譲りの頑丈さや汎用性など、素性の高さによるものでしょう。


つまり

スーパーカブはすごいぞ

スーパーカブはすごいぞ。CTはすごいぞ。最高だ


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